Xbox アダプティブジョイスティックは、身体的な制約のある方にもゲームやPCの操作がしやすいように設計されたスティック型のコントローラーです。
Microsoftのアクセシビリティへの取り組みの一環として開発され、Xbox用のゲームコントローラーだけではなく、PC用のマウスとしても使うことができます。
本ページでは、ジョイスティックの特徴や便利な使い方についてご紹介します。
形状や特徴
- 縦長のスティック型コントローラーで、片手で操作できるように設計されています。力を入れずに握りやすいサイズ感と形状で、約106グラムととても軽いことも特徴です。
- 上部には360度の方向操作ができるアナログスティックがあり、前面に X1 から X4 までの丸いボタン、背面に X5 ・ X6 ボタンが配置されています。
- 下部には一般的な1/4インチサイズの三脚取り付け穴があり、市販の三脚やスタンドで固定できるようになっています。これを利用して、足などで操作することもできます。
- アナログスティック部分には、3Dプリンターで印刷したオプションパーツを取り付けることができます。たとえば、大きな球体のパーツを取り付けることで、顎などを使った操作がしやすくなります。3Dプリンター設計図のダウンロード方法は こちら を参照ください。
- 「Xboxアクセサリー」アプリ を使用して、各ボタンの役割を自由に設定できます。たとえば、PCのマウスとして使う場合、押しやすいX5ボタンに「左クリック」、その下のX6ボタンに「右クリック」を割り当てることができます。
- Xbox本体やPCにはUSB-Aケーブルで接続して使用します。また、Xboxアダプティブコントローラーや、その他の Xboxコントローラーとも組み合わせて使えるように設計されています。電池や充電は不要です。
試用ユーザーの声
日本マイクロソフトの ITラーニングプログラムメンバーや、身体・指先の動きに制約のある社員の皆さんに、アダプティブジョイスティックを試用してもらいました。
「大きさや軽さがちょうどよく、力が入りにくくても握りやすい」
「背面のX5、X6ボタンが大きく、指全体などを使って押しやすい」
「片手が動かしにくくなってからゲームを諦めていたが、このジョイスティックならキーを割り当ててプレイできそう」
「カーソルを移動する速度については、おおむねスムーズだが、より細かい調整ができると操作しやすい」
「スタンドなどを使わなくても、単体で自立できるとさらに使いやすそう」
などといった感想・意見をいただきました。
また、ボタンのマッピングについては、「よく使う機能やアクセシビリティ機能を割り当てられると便利」との声を多くいただきました。
そこで、PCのマウスとして使用するときに便利ないくつかの活用例をご紹介します。
ボタン割り当ての活用例
◆ドラッグ&ドロップ操作
Xboxアクセサリー アプリで、任意のボタンを「マウスの左クリック」に設定し、「プライマリの切り替えホールドを有効にする」にチェックを入れます。
画像:Xboxアクセサリー アプリの設定画面 ここでは、X1ボタンに割り当てています。
X1ボタンを1回押すとホールド状態になり、マウスの左クリックを押し続けた状態になります。移動後にもう一度X1ボタンを押すと、つかんだものを離すことができます。
◆範囲指定スクリーンショット(Snipping Tool)
「Windows + Shift + S」キーを押すと、キャプチャツール「Snipping Tool」を起動できます。複数キーの同時押しが必要ですが、PowerToysの「Keyboard Manager」を使えば、1つのキーにまとめて割り当てることが可能です。※PowerToysについては、こちらを参照ください。
画像:PowerToysの設定画面 ここでは、「Windows + Shift + S」キーを「Home」キーに割り当てています。
Xboxアクセサリー アプリで、任意のボタンに「Home」キーを割り当てます。
画像:Xboxアクセサリー アプリの設定画面 ここでは、X3ボタンに「Home」キーを割り当てています。
X3ボタンを押すと、Snipping Toolが起動します。ドラッグ&ドロップの設定と組み合わせると、範囲を指定した切り取りキャプチャを行うことができます。
◆音声入力
音声入力は「Windows + H」キーを同時に押すことで起動できます。
Xboxアクセサリー アプリで、「Windows」「H」それぞれのキーを任意のボタンに割り当てます。
割り当てたボタンを同時に2つ押すことで、起動できます。2つのボタンを同時に押すことが難しい場合は、PowerToysを使用して、1つのボタンにまとめられます。
終了には「Windows + Esc」キーを使うため、「Esc」キーも別のボタンに割り当てておくと便利です。
◆その他
その他にも、以下のようなショートカットを同様の手順で割り当てることができます。
- 前のページに戻る「Alt」+「←」
- 次のページに進む「Alt」+「→」
- コピー「Ctrl」+「C」
- 貼り付け「Ctrl」+「V」
- 拡大鏡「Windows」+「+」
Xboxアダプティブジョイスティックは、さまざまな操作方法に対応し、カスタマイズできる柔軟性を持ったデバイスです。ゲームやPCの操作をより快適に、楽しくするためのツールとして、ぜひご活用ください。
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